「複業を始めたいけど、何から手をつけて良いかわからない…」
そんな課題を抱える人は多いのではないでしょうか。以前公開した記事では、複業には「フリーランス型」「コンテンツ型」「投資型」の3種類があるとお伝えしました。実際に複業を検討してみると、最初の選択肢には「フリーランス型」の複業が挙がると思います。
フリーランス型の複業には2パターンの働き方があります。一つは「本業で得られたスキルを活かして行う複業」と、もう一つは自分の趣味の延長で始める「本業とは全く異なるスキルを活かして行う複業」です。今回は2回の記事に分けて、それぞれ2パターンのフリーランス型複業を行うメリット・デメリットを整理してご紹介します。
前半となる本記事では「本業で得られたスキルを活かして行う複業」について解説していきます。
本業で得られたスキルが「即戦力」に
近年、IT企業に勤めるサラリーマンが個人で複業する事例が増えています。それは就労の仕方が基本的に「企業」や「会社の資産」に紐づくのではなく、「個人の持っている知見やスキル」に紐づいた仕事になっているからです。
実際、複業を積極的に取り入れている企業には多くのIT企業が名前を連ねています。
例えば、普段はWEBエンジニアとしてプロダクト開発を行っている人が、スモールビジネスを手掛ける知人のWEBサイトを作成したりしています。他にも、プロダクトデザイナーとして働いている人が、フリーランス型の複業でロゴやバナーなどのデザインを作成していることなどが多々あります。
これらは、本業で得られたスキルを使うからこそ、複業でも即戦力として活躍できるのです。以下では、本業で得られたスキルを活かして複業するメリットとデメリットをご紹介します。
本業で得られたスキルを活かした複業のメリット
①すぐに仕事を始められる
本業で得られたスキルを複業で活かすメリットは、すぐに仕事が始められることです。自分が本業で関わっているからこそ、商流や商習慣などの仕事の流れを掴めていることが大きな利点になります。また、営業などの案件獲得さえ上手くできれば、比較的早い段階で安定した複業収入に繋げることも可能です。
現在はランサーズやクラウドテックの他、ココナラ、ビザスクなどのスキルシェア・ナレッジシェアを可能にするプラットフォームがたくさんあります。これらを営業代行のツールとして有効活用することで、すぐに複業として開始できます。
②本業・複業ともに本当の意味でのスキルアップにつながる
フリーランス型の複業を始める際には、自分自身がこれまで積み上げてきたスキルが市場価値としてどの程度あるのかを棚卸する作業が必要です。自分自身のどのスキルが社会において誰の商品になり得るかを整理しなければなりません。その上で複業としてサービス提供するにあたって、足りない部分は自分で学習するなどスキルアップが求められます。本業で得られた知識や経験を使うからこそ、より深く自分の実力を明示的にクライアントに示す必要が出てくるのです。
また、本業では各部署などの分業制で行っていた作業も、複業ではすべて自分で行う必要があります。例えば先程のデザインの仕事を一つとっても、企画・立案から携われることもあれば、営業として案件を獲得する必要も出てくるでしょう。そしてサービスを提供して終わりではなく、最終的な資金回収や年度の会計処理まで全て自分でこなさなければなりません。
その結果「自分自身の守備範囲を広げること」につながります。これは複業を通して本業側の業務の上流・下流の工程に対する知見を自分の仕事に還元できるということです。そのため、本業で一段上の視点を持てるようにになります。DUAL WORKがこれまでに多くの複業実践者の方々から伺ってきた「複業をしてよかった!」という声は、実はこの「視点を上げられる」点にあります。
本業で得られたスキルを活かした複業のデメリット
①新しく出会う人が同じタイプになりがち
一緒に働く人が本業と同じタイプになりやすいのが、本業で得られたスキルを生かして働く複業です。もちろん「複業に何を求めるか?」は大事な観点です。しかし「多くの出会い」や「これまでと異なるコミュニティとの交流」などを目的にした場合は、実際にはかなわない場面があることを、本業の延長線上で複業する場合は受け入れるべきです。
もちろん、同じ人が一人としていないように、同じ出会いもありません。また業界やエリアを変えることで出会う人の種類が変わることもあります。たとえ、本業と同じようなタイプの人と出会うとしても、新たな発見につながることは十分にあります。過度に心配しないでも良いでしょう。
②複業によって信頼を失うケースもある
自分の名前で仕事をするので、基本的に複業は自分に責任があります。それでも、現在所属している本業側の会社名を少しでも利用し、複業している方は注意しましょう。
実際の事例として端的に説明すると、某大手飲料メーカーに所属している方が、複業で出身企業の名前を使って案件を獲得し、信頼を失ったケースがあります。知人のWebサイトをデザインしたものの、案件としては十分な成果が挙げられず、結果として依頼主側の不満足につながったという話です。
本人は明確に複業として「自分のビジネス」の認識でやっていたので、所属する企業名を営業ツールとして利用する意図がありませんでした。それでも「〇〇出身の副業プランナー」として自己紹介するなど、顧客側からは本業の安心感があって発注したという思惑がありました。
最終的にこうしたトラブルは、本人自身が信用を失うだけでなく、本業の会社に対して風評被害にもつながる可能性もありえます。不要なトラブルを未然に防ぐためにも、シンプルですが複業の案件を遂行する上では本業の名前は一切出さないことです。全て一人のプロフェッショナルとして対応しましょう。
③業務過多になりがち
本業の知見を活かしたフリーランス型の複業は、本業で行っている仕事のいわば延長線上にあります。同じようなスキルを活用して行っている複業だからこそ、人によっては「もう少し頑張れば、仕事の量を増やせる」と思ってしまう方もいるかもしれません。
しかしながら、ダブルワークをしている認識は持っておくべきです。複業が目いっぱいになって、本業に支障をきたしては本末転倒です。無理をしない程度に抑えておけるよう、常に自分のキャパシティの把握は欠かせません。
本人は楽しいと思ってやっている複業も、家族からすると団欒の時間を奪われている場面も散見されています。普段の仕事で忙しい人が複業を始める際は、相応の注意や家族への説明をするべきでしょう。業務過多にならないように、仕事の量をコントロールしながら「正しく、長く続けられる複業」を育んで行きましょう。
この辺りの複業における自己管理については別の記事で詳しくご紹介しますので、ご参考にしていただけたら幸いです。
これから複業を始めるなら…
本業で得られたスキルを活かして複業することは、これから複業を始める方にとって最も身近な方法のひとつです。その際には最後まで遂行する意思や、リスク管理・自己コントロールと言った「プロフェッショナル精神」が必要となります。
また、複業を始める前に自分が持っているスキルはなにか、それがどう社会に役立つのかは、ぜひ棚卸ししてみてください。その上で、自分自身がやりたい複業をうまく設計できるようにしていきましょう。
次回、公開予定のパート2の記事では、「本業とは全く異なるスキルを生かして行う複業」についてメリット・デメリットをご紹介します。ぜひ併せてご参考にしてみてください。
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