副業やスモールビジネスをする上で、個人のブランディングは非常に重要ですよね。
「あの領域といえば、〇〇さん」という認知が取れれば、仕事の獲得がスムーズになるだけでなく、自分の言い値で仕事がしやすくなります。
とはいえ「自分自身をブランディングする方法って、それほど簡単ではないのでは?」と思う人も少なくないでしょう。
実は、セミナーに通ったり、本を読んだりと、本業や副業のために勉強した内容を他人に教えるように発信することで、自分の学習定着率を上げながらブランディングすることができるんです。
今回は学習プロセス×情報発信で、自分自身が最も勉強しながらセルフブランディングする方法について具体的なやり方を交えてご紹介します。
学習定着率を理解する上で知っておきたい「ラーニング・ピラミッド」
「ラーニング・ピラミッド」という言葉を耳にしたことはありますか?
アメリカ国立訓練研究所が発表した7つの学習方法とその定着率の度合いをピラミッド状に表したものです。DUAL WORKでは、そのラーニングピラミッドを下のチャートのように再解釈しました。
左から順に見ていただくと分かるように講義や読書など受動的なものほど学習定着率は低く、自ら体験する、他の人に教えるといった能動的な学習であればあるほど、学習定着率は高くなっていきます。
セルフブランディングで押さえておきたい学習方法は、何と言っても「他人に教える」ことです。
20世紀後半の偉大なヴァイオリニストであるイツァーク・パールマンは「教えるチャンスは、逃してはならない」と言いました。これは、人にわかりやすく教えるためには、誰よりも深く理解して準備する必要があり、自分自身が成長するチャンスとしてもっとも有意義な方法だからです。
この学習定着率の最も高い「他人に教える」という行為を、どのようにセルフブランディングにつなげていけば良いでしょうか。それは学習過程で学んだことを他人に教えるように発信し、「〇〇についてわかりやすく解説しているのは、Aさん」という認知を取ることです。
“自分がプロとして提供するビジネス領域”で発信する
「プロセスエコノミー」を活用して、自分自身をブランディングしましょう。プロセスエコノミーとは「すでに完成したもの」をお客様に公開・販売したりするのではなく、「制作過程」そのものをストーリーとして発信して収益化していくことです。
商品の機能や性能で差別化が図れなくなった現代において、完成品のみを販売することには価値が生まれづらくなっています。それよりも、商品ができあがるまでのプロセスを共有したり、日々学んでいることを発信したりする方が、自分自身にファンをつけながらブランディングできるのです。
例えば、DUAL WORK編集長の新井は、ビジネスや複業にまつわる内容をTwitterで日々発信しています。この元になっているのは、本業で培ったコンサルタントの知見や、複業で得られた第2の働き方、クリエイティブのスキル・知見などです。「プロとして生きていくビジネス領域×新たにインプットしたこと」をかけ合わせて情報を噛み砕いてわかりやすく発信し、結果としてビジネスや複業に興味のあるフォロワーを増やしてブランディングに成功しています。
会社設立時に税理士にアドバイスされたのは口座を3つ作ろうね!っていう話。
1)受け金用 (メガバンク)
2)支払い用 (ネット銀行)
3)貯金用 (地銀or信金)これ、スギポ @koichi2905 に解説頼まれたから書いていきます♬
— Yusaku Arai / 職業=新井勇作 (@arai_yusaku) October 5, 2020
これから情報発信するのであれば、まず発信する内容を「自分がプロとして仕事をしていくビジネス領域」に決めましょう。ここではスキルや知見が伴っていなくても問題ありません。自分がその道の初学者だとしても、今学んでいることを他人に教えるように発信していくのです。それによってセルフブランディングが確立されていきます。
例えば、将来ワインのソムリエを目指しているのであれば、ソムリエ試験の勉強をしながらワインの特徴や製造方法、楽しみ方などをわかりやすく発信するのも一つの手です。他にも自分が気がついた食べ合わせの妙であったり、ワインを作る醸造家のストーリーなど、調べて分かる範囲のものを発信していくと、次第に認知が獲得できます。
他にも、駆け出しのデザイナーであれば誰でも簡単に作れるデザインのTipsを紹介したり、Webライターであればビジネスマンや文章を書く人に向けて長文やブログを書くコツを教えたりするなど、様々な情報発信がセルフブランディングにつながります。それら、すべての「誰かのために有用なコンテンツ」が、自分自身をその道の専門家としての認知を獲得していくことに繋がるのです。
学習した内容を発信するのに最適な方法
発信する内容が決まったら、次に発信する方法を決めましょう。手軽に情報発信するのであれば「SNS」「ブログ」「YouTube」がおすすめです。それぞれの特徴やメリットについて紹介しますので、ご自身が最も利用しやすいものを使ってみてくださいね。
SNSを始める
SNSの中で最も手軽に活用しやすいのが、TwitterとInstagramです。
Twitterは、テキストでの情報発信や図解によるプチ解説をするのにうってつけの方法です。140字で端的に情報をまとめる必要があるため、要らない言葉を削ぎ落とし、本質を短く伝える言語化スキルも身につきます。主に、ビジネスの情報発信に向いているでしょう。
Instagramは、ビジュアルで勝負したい人におすすめです。写真やデザインなどのクリエイティブの公開に向いている他、情報をインフォグラフィックスにまとめてプチ解説記事を作ることもできます。自分自身が発信する情報に詳しくなるだけでなく、発信を続けていく過程で情報を図解する技術が身に付くでしょう。
SNSで情報発信するメリットは、いいねやリツイートによる拡散性の高さと、フォロワーを増やせることです。見知らぬ人に自分自身の存在をアピールしやすく、またリアルで人に会った際のプロフィールとしても「自分は何者か」伝えやすくなります。
ブログを書く
文字数やビジュアルの制限があるSNSでの発信とは異なり、情報を体系立てて伝えられるのが、ブログです。自分の知識を言語化して論理的に説明する必要があるため、思考がより整理されます。さらに、学んだことが記事としてストックされることにより、外部の記憶装置として見返しやすくなります。(※こちらのブログ「DUAL WORK」も、編集部が副業に関する知見を取りまとめた外部記憶装置として活用しています)
特に向いているブログの活用方法は2種類です。1つは「自分がプロになるまでのプロセスを公開する」こと。そして、もう1つは「アーカイブとして成果物を格納する」ことです。
1つ目の「自分がプロになるまでのプロセスをブログとして公開する」ことは、主に初学者からプロになる過程で重要です。例えば、自分がプロのデザイナーになるまでに取り組んできた学びの過程を公開したり、スモールビジネスで数千万円稼げるようになるまでに取り組んだことをまとて発信していきます。自分自身がプロになるまでの経緯を書くことで、後ろに続く誰かの役に立てるだけでなく、「この人はこんなふうに学んできたんだ」と自身の信頼性を高めることにつながります。そして、時には失敗や挫折も含めてストーリーとして発信していくことで、自分自身に共感し、応援してくれるファンが増えることで、仕事の依頼が舞い込みやすくなります。
さらに、「アーカイブとして成果物を格納する」ことで、自分がこれまで担当した仕事を可視化しやすくなります。もちろん、プロセスを公開しているブログの中に、成果物を混ぜてひとつのブログで完結することも可能です。しかし、クライアントが具体的な仕事の実力を把握しようとした時に、プロセスだけでブログを構築しているのは多少リスキーです。プロセスが混ざることによって、実際の仕事の成果物が薄まってしまうからです。だからこそ、成果物を別のブログにまとめてストックして、作品集として求められればすぐに提示できる状態を構築していきましょう。(この辺は、SNSだけで同様のことを実施しようとするろ、プロセスをTwitterで、成果物をInstagramでギャラリーとして、といった使い分けも可能です)
YouTubeで話す
SNSやブログと比べて、ややハードルが高いのはYouTubeかもしれません。自分自身が学んだことを口頭で説明する必要があるため、より深い理解やわかりやすい説明力が求められます。
いずれ学んだことを講師として教えようとしているのであれば、YouTubeは格好の練習場です。再生回数に応じて、自分のコンテンツに興味を持っている方がどれほどいるのかも検証できるため、学習定着率を高めながら教えるスキルも獲得できます。
YouTubeの特徴は、テキスト情報ではアクセスできない人に対して、音声とビジュアル情報で伝えられることです。本の内容を要約して説明したり、写真の撮り方やプレゼンのコツなどHow toを紹介したりするのに向いています。実際のHow toの部分がYouTubeでは伝えやすいと思いますので、自分自身が勉強しているスキルやテクニックを「最近勉強していること」として発信するのがネタ切れなどにもならず、非常に効果が高いです。
「私が発明した!」はNG。初学者が知っておくべき発信のスタンス
ここまで、学習過程を発信していく方法についてお伝えしてきました。ここからは学習した内容を発信するコツについてお伝えします。
情報発信する人のフェーズは大きく分けて以下の3つです。
1. 初学者
2. プロ
3. 一流のプロ
1の初学者は、まだ勉強を始めたばかりか、もしくはプロになるプロセスをたどっている最中のフェーズにいる方々です。特に、スキルや経験が伴っていないと、情報発信することに抵抗を感じてしまうことは少なくありません。
しかし、その考え方は「発信の仕方」次第で変えることができます。初学者が取るべき情報発信のスタンスは、プロや一流のやり方を勉強して「学んだ」姿勢でいることです。NGなのは、「自分で考えた・作った」などあたかも自分が第一人者として「発明した」と発表することです。
例えば、有名なワインと料理の組み合わせをセミナーで学んだとします。それをそのままTwitterにまとめて、あたかも自分が発見した組み合わせかのように語るのはNGです。学んだペアリングのコツを活かし、自らセレクトして紹介するなど「自分の解釈を挟んだり、学んだ上で発信しています」というスタンスを表明する意識が必要です。
学習した内容を元に情報発信できるようになれば、発信するネタにも困らず、かつ発信した内容を頭に定着させられるのです。
学んだことを発信することで、自分の行動が変わる
学習したことをSNSやブログで情報発信していると、自然と情報発信元でもある自分自身に注目が集まるようになります。「〇〇について発信しているAさんは、実際どうなの?」といった視線を浴びることで、必然的に自分も早くその道のプロにならなければいけないという意識が働くのです。学んだことを情報発信していくことで、学習定着率を高めるだけでなく、自らの行動すら変えられるのです。
時々、現在の延長線上に未来が決まると考える人がいますが、そうではありません。未来が先に決まることで、現在の行動が変わるのです。
よく「自分はまだプロではないから、できるようになってから情報発信します」と言う人がいますが、むしろ逆です。先に学習した内容を発信し、他者から「こんな情報を発信している人は、きっとすごい人に違いない」と思われていくことで、「将来はその道のプロにならなければいけないから、そのために今は発信している内容を徹底的にやろう」と行動が変わるのです。
そうすることで学習定着率がより加速するだけでなく、セルフブランディングした後のありたい姿に早く到達できるのです。やみくもにTwitterで時間を使うことがブランディングになるのではありません。なりたい自分を発信しているから、自分の行動が変わって目標に到達するのです。
学習内容を発信することで、効率よく自分をブランディングしよう
学習の過程から発信者になることは2つの意味で効果があります。
発信者になることで
- 自分の学習定着率が高まる
- 他者の目が自分に向けられるので、行動改善率が高まる
結果、誰よりも先にその技術に習熟し、プロとしてブランディングできるようになるのです。
冒頭でも整理しましたが、ブランディングする最大のメリットは、指名で仕事を貰えるようになることです。どんなにスキルや知見を持っていたとしても、周りに認知されていなければ、良い仕事は回ってきません。だからこそ、スキルや知見が伴っていなくとも、情報発信とともにインプットを重ね、早くプロとして活動できるように目指しましょう。それが、DUAL WORKが提唱するセルフブランディングの正攻法です。
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企画・編集: 新井勇作
執筆: 大畑朋子
デザイン: 中山亜希
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