テレワークやリモートワークの普及により、働き方の変化が加速しています。オフィスを持たなくても仕事が成り立つことを知り、都心から地方に移住した人や、余った時間を活用して本来やりたかったことに挑戦する人が増えています。
一方で、終身雇用の崩壊や副業解禁の流れに伴い、今後は会社に頼らなくても生きていける働き方が必要です。変化が激しい時代に、どのように働き方や人生と向き合うべきか。DUAL WORKがその答えを一緒に考えます。
人生100年時代は、「定年退職」から「生涯現役」へ
ロンドン・ビジネススクールのリンダ・グラットン教授は、著書『LIFE SHIFT』の中で「人々が100歳まで生きられる時代に向けて、人生戦略を再構築すべき」と提唱しています。
人々の寿命が短かった頃は「教育→仕事→引退」の3ステージで生きることができました。しかし、寿命が伸びた現在は、3つのステージのうち仕事の期間が大幅に拡張されます。
例えば、22歳で入社して65歳で定年退職するまでの期間は約43年間です。時代の変化が激しい現代では、この長い期間を1社だけで働き続けることは難しくなってきています。
ご存知の方が多いように、2019年5月にトヨタ自動車の豊田社長が「雇用を続ける企業へのインセンティブがもう少し出てこないと、終身雇用を守っていくのは難しい局面に入ってきた」と発表し、非常に大きな話題を呼びました。
他にも働き方改革関連の大きなニュースとして日立や富士通、資生堂などの大手企業でも、業務の成果で評価する「ジョブ型」の人事制度に移行しています。これは年次や役職で仕事と給料が決まる、従来の雇用制度からの大きな変革です。
これらの大きなニュースから言えることは、会社に守られながら定年退職まで働き続けるのではなく、いかに会社に貢献し自らの手で働き続けられるかが求められていることです。
また、人々の寿命が伸びたことで働く期間も長くなり、働き方も多様化していきます。幅広いキャリアを築く人や、小さなビジネスを起こす人、複数の仕事に同時に関わる人など、これまではあまり見かけなかった働き方をする人が増えるでしょう。
数年間、仕事をしながら資金を貯め再び大学で学び直しをする人や、会社経営しながらも別の会社で社員として働く人が出てくるなど、無限のキャリアを築ける可能性があります。
つまり、人生100年時代は生涯現役という考え方のもと、自らの手でキャリアを開拓していく必要があるのです。
“いつでも稼げる力”が自分の武器になる
寿命が伸びている時代においては、これまで通り定年退職を迎えると、老後の資金が不足する可能性があります。
定年退職後の再雇用を期待したとしても、必ずしもその希望が叶うとは限りません。また、定年退職までに貯蓄できる金額を考えても、一生困らない生活費を手に入れることは難しいでしょう。
これからは上手に貯蓄していくのではなく、「稼ぐ力」を持っていることが大事です。いつどこで職を失ったとしてもゼロから自分で稼ぐことができれば、変化が激しい時代にも生き残ることができます。
もちろん、いきなり「稼ぐ力を身につけろ」と言われても、どうやったら良いかわからない人が多いかもしれません。そこで、ぜひ挑戦していただきたいのが、本業で得られたスキルを元に小さく複業を始めることです。
複業とは、いわば第二のキャリアを歩むこと。本業で身につけたスキルを活かして複業することで、自分の市場価値がどの程度のものなのか把握することにもつながります。
「自分に足りないものはなにか?」
「どんなスキルを身につければ、お客様により価値提供できるのか?」
を分析し、空いた時間をスキルアップに当てることで本業・複業ともに質の向上につながります。
より具体的な複業の見つけ方は、以下を参照してください。
本業をしながら複業に取り組むことは、いわば安定した収入やコミュニティ、ネットワークなどを確保した上で挑戦できること。リスクを減らせるため、思い切った仕事にも挑むことが可能です。
「複業」で稼いだお金の再投資が、人生の豊かさを生み出す
複業で稼いだお金は、生活レベルの向上に当てるのではなく投資に回しましょう。消費に使ってしまえばリターンを得ることは不可能ですが、新たな知識の獲得や仕事に必要な物への投資を行うことで生産性の向上につながります。
また、一部の資金を株式投資や不動産投資などに当てることで、長期的な資産形成を行うことも可能です。
本業のみでは資産形成に当てるお金を捻出することが難しかった方でも、複業で得られた資金を再投資することで既存の生活レベルを維持したまま投資が行えます。
複業を始めることで、仕事・金銭面ともにより豊かな人生を築くことができます。
複業で「稼ぐ力」をつけ、将来の可能性を切り開こう
DUAL WORKが提唱する複業は、「本業を持ちながら第二の仕事に取り組むことで、リスク分散しながら将来の可能性を切り開く働き方」です。
ある日、突然本業がなくなってしまっても、複業でやり直すこともできます。人生100年時代に備えて、複業を始めてみませんか?
執筆: 大畑朋子
企画・編集: 新井勇作
デザイン: 中山亜希
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