生活には困っていないけれど、このままでいいのだろうか…。
もしそう感じていたら、自分の幸せを見直すべき時が来ているのかもしれません。
そんな場面でも「SNSのフォロワーこそが、未来のドアを開く鍵になる」と語る、今回の賢人・まりーさんは、ヘッジファンドで働く傍ら、ボランティアで「英語」と「投資」のサークルを運営されています。
なぜボランティアとして無償でサークルを運営しているのか?また今の時代に幸せを形成する上で大切にすべきものはなにか?幸せな人生を自ら切り開く際に必要なスタンスを伺いました。(聞き手:中島未知代)
まりーさん
アメリカ在住25年 /Twitter 59K
新卒でスペインで銀行勤務→米ウォートンMBA(class of 1998)→米金融(3社)→米公立高校数学教師→米金融(ヘッジファンド)。YouTubeチャンネル「まりーさんのYOLO@USA!」では投資の質問会ライブ、投資初心者さん向けの入門ビデオ、インフルエンサーとの対談、伝説のソフトウェアエンジニア中島聡氏との隔週の対談などを発信中。無料英会話サークルと無料投資サークルを主宰。9月現在、英会話メンバーは3,100人超、投資メンバ−は1,400人超。現在は投資サークルメンバーのみ募集中。英会話メンバーの次回募集は10月の予定。詳細はTwitterから。
お金がいくらあっても、それだけでは“幸せにはなれない”
──早速ですが、まりーさんのご経歴について教えてください。
まりー:現在はアメリカのヘッジファンドで働いており、超資産家を相手に、彼らの資産を増やす仕事をしています。
経歴を遡ると、日本の大学を卒業後、スペインで銀行に勤務しました。その後アメリカでMBAを取得し、卒業後はアメリカの金融機関でキャリアを積んでいました。しかし、リーマンショックを機に職を失い、教職を取りアメリカの公立高校で数学の先生をしていたんです。その後、縁あってもう一度金融の世界に戻り、現職に至ります。
──すごいキャリアですね!その一方で「投資」と「英語」を無料で教えるサークルを主催されています。どのような理由で始められたのでしょうか?
まりー:発信と人助けを楽しみながらできる何かが欲しかったんです。私が普段接している資産家を見ていると、いまの私が更に何倍ものお金を稼いだとしても、お金の管理にマインドシェアが割かれるため、幸せは増えないと思っていました。
今の私にとって大事なのは、「自分の時間」と「皆さんからいただく時間(マインドシェア)」です。どなたの時間も必要以上に拘束することなく、みんなで楽しく続けられることがやりたい。「英語」と「投資」の知識が私の強みなので、それらを活かして完全無料のサークルを始めました。
設立から英語サークルは1年弱、投資サークルは5ヶ月弱ですが、両方とも既に参加者が主体となって活動しています。中には、初心者がつまづいて何度も同じ質問を投げかけていても、優しく答えてくれる方がいて。答える側も情報を調べることで自分の知識を深めるためになっています。
──「無料」で提供されているところが気になったのですが、お金をいただかない理由は…?
まりー:参加者からお金をいただくよりも、時間をいただくことの方が、私にとっては意味があるからです。
無料のサークルを活用して、「まりーさんのおかげで人生良くなりました」と言ってくれる方が増えるのが嬉しいし楽しいから続けています。
私が現在提供しているサービスに対して、直接的な報酬を求めることはないと思います。なぜなら「仕事」にしたくないからです。直接お金を頂いてしまうと義務になってしまうので。あくまでボランティアという立場が今は丁度良いんです。
今後、収益化を考えるとしても、広告収入やアフィリエイト収入だと思います。例えば、サークルの参加者がコンテンツを享受する代わりに、CM広告に時間を割いたり、紹介されているアフィリエイトで本当に良いと感じた商品を購入したりするなどです。この場合、お金を払うのはスポンサードする会社側でありフォロワーさんではありません。もともと会社側に全額行くはずの利益が、一部私に還元されるのであればそれは良いことだと思います。
自分の影響力で獲得したフォロワーが、“お金以上の価値”につながる
──ちなみに、サークルの将来的なビジョンなどは描かれているのでしょうか?
まりー:実を言うと、私は将来的なビジョンを明確に描いているわけではありません。あくまで、今の時代において、影響力を持つことが将来の可能性を大きく広げると考えています。そのためにサークルを運営しています。Twitterをしているのも同じ理由です。
昔は「大企業の部長」など肩書が信用でしたが、今はTwitterで10万人のフォロワーがいる方が影響力も大きく信用も高い。しかも、そのフォロワーはお金では作ることができません。もちろんフォロワーの購入は可能ですが、たとえ1万人のフォロワーがいても10人程度しかいいねがつかないのであれば、意味がない。自分が何かをやりたいと思ったときに人を動かせることに本当の価値があります。だから、真のフォロワー数が重要なんです。
実際、私はこのサークル活動とTwitterのお陰で、Windows95を作った伝説のプログラマー・中島聡さんと対談できるようになりました。また、サンクチュアリ出版さんの講演にも繋がりましたし、今は大手出版社さんから講演の依頼をいただいています。
複業をやっている人やフリーランスの人はもちろん、これからの時代、会社員も主婦も学生もみんな、SNSで発信することが大切なんだと思っています。
──SNSが名刺の代わりになる感覚ですね。
まりー:私は、仕事を「フロー」と「ストック」で捉えています。フローは時間を売る仕事で、多くの会社員が該当します。一方で、ストックは資産を作って運用する仕事です。
Twitterのツイートは瞬時にタイムラインに流れていきます(=フロー)が、Twitterで築いた信用やネットワーク、フォロワーさんに対する拡散力はストックです。それらは価値として確実に積み上がっていくものだからこそやる価値があるのです。
──SNSで信頼を積み上げるために、どう活用すれば良いでしょうか?
まりー:SNSの利点は、フォロワーから即座に反応をもらえることです。自分が販売したいスキルや商品に需要があるか、繰り返しリアルタイムで実験できます。
例えば、プロダクト開発のために試作品を10パターン作ると、お金はすぐになくなってしまいます。しかし、ツイートで発信し、テストするだけであればコストはかかりません(笑)。1日10個ツイートして一番いいね数が伸びたものや、プロフィ―ルのクリック数が多かったものを積極的に分析し、掘り下げていくことが無料で出来ます。私もTwitterを始めた当初から今でも続けていますが、リサーチを繰り返して新しいことを学び、発信し続けられる人たちが最終的に生き残っていくでしょう。
もちろん、モチベーションが続かなくて辞めてしまう方がほとんどです。誰もが人気のインフルエンサーになれるわけではないからこそ、SNSで求められている情報を考え、地道に発信していくことが大事ですね。
──まりーさんのように、すぐに発信や挑戦できない人は何から始めれば良いのでしょうか。
まりー:まずは自分が幸せと思える状態をつくることです。そのためには自分の健康、経済的余裕、時間の余裕を安定させることです。
そして、「自己犠牲」と「他者貢献」の線引きを明確にしましょう。何故か日本では、仕事、子育て、人間関係など、あらゆることで自分を優先することに罪悪感を抱いてしまう人が多い気がします。自分が本当に幸せでなければ、家族や周りの人の役に立てる余裕は生まれません。だから、まずは自分自身を大切にすべきなんです。
「健康」「経済的余裕」「時間の余裕」ができて、はじめて誰かの役に立てることを考えるべきです。この3つが安定するまでは、ストックを作ろうと、無理に発信をしなくてもいいのかもしれません。ただ、発信することが経済的、時間的余裕に繋がった人や事例がたくさんあるので発信してみたい人は積極的にTwitterやインスタ、YouTubeで頑張っている人を研究するといいと思います。
人材の流動性が、“企業にも”働く人にも双方にプラス
──話題は少し変わりますが、多くの日本人は複業に対して抵抗があるように感じます。特に、フリーランスに対するネガティブな見方は、今後変わってくるのでしょうか?
まりー:一昔前までは、大企業で働いている人が「勝ち組」で将来がある程度約束されている。また、フリーランスは落ちこぼれで、企業で勝ち残れなかった人が細々とやっているというイメージがあったかもしれません。しかし、認識は徐々に変わってきていると思います。
いまはSNSでストック型の資産を築いているフリーランスこそ、将来性があると見られる風潮になってきていると私は思います。だからこそ、フォロワー数が大事になるのです。目に見える信頼の証明につながりますから。 SNSをまだ活用していないフリーランスはすぐにフル活用することお勧めします。
──最後に、日本の複業事情はこれからどうなっていくと思いますか?
まりー:今は「風の時代」と言われています。若い人がノマドのような働き方をカッコいいと思うように、フリーランスに憧れていることが普通になりつつある。だから、日本企業の在り方も変わっていくのではないでしょうか。
私は、日本の雇用制度は正社員や派遣社員などの採用区分を廃止し、すべて派遣で良いと考えています。毎年の契約を更新制にし、職や人材の流動性を高めます。当然、企業が良い人材をキープしたい場合はより待遇を良くする必要がある。結果的に企業も変わることができます。
日本の企業は頑張った人も、そうでない人も給料の上がり方に大差はありません。これは正社員の権利が強すぎるからです。でも、正社員制度がなくなれば、必然的に挑戦しなければいけなくなります。結果として、働く人にとっても企業にとっても挑戦しやすい、いい循環を生み出せるのではないでしょうか。
──誰もが挑戦し続けられる社会が実現できるんですね!
まりー:そうですね。日本でもDUAL WORKという働き方が広まり、もっと自分自身を幸せにできる人が増えるといいですね!
編集後記
まりーさんのインタビューには金言が溢れていた。お金に縛られずに、楽しんでサークルを運営するコツ。フリーランスや複業実践者ほど、影響力を高めなければならない理由。SNSでのひとつひとつの投稿はフローでも、つながるフォロワーとその信頼関係がストックとして積み上がること。そして、それらのストックが未来の可能性を広げてくれること。
その中でも、一番心に響いたのは「自分が幸せでなければ、家族や周りの人の役に立てる余裕は生まれない。だから、まずは自分自身を大切にすべき」という考え方だ。
まりーさんの考え方には、厳しい現実を鋭く指摘する言葉の中にも、多くの優しさが溢れている。今の自分を優先しながら、できることで誰かの役に立つ。それができれば、昨日よりも今日、今日よりも明日がきっと実り多い1日になるだろう。その自信に溢れたまりーさんが真摯に語る横顔は美しかった。それは「自分がやっていることが誰かの役に立っている」という自信からにじみ出る、内面的な美しさなのだと思う。
企画・執筆:中島未知代
編集: 新井勇作
デザイン: 中山亜希
写真: ONE PHOTO (撮影協力:渋谷QWS)
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