挑戦する人を“政治”で後押ししたい。政治家・むこう山じゅんとDUAL WORK編集長・新井の対談インタビュー #dualwork

「政治の力で、挑戦する人を後押しできる世の中に変えていきたい」

そう力強い声で語るのは、参院選2022の比例代表選挙に自民党から立候補している、むこう山じゅんさんです。

子どもや若者、現役世代が後回しにされない政治を実現すべく、現役世代の代表として「日本の未来を変える」ために奔走しています。

今回は、大学時代のサークル仲間でもあるDUAL WORK編集長・新井との対談インタビューをお送りします。むこう山さんが日本の政治を変えようと思ったきっかけや、多様な働き方を実現するためには何が必要なのか、そして実現したい社会について話を伺いました。

むこう山じゅん
Twitter:https://twitter.com/mukoyamajun
慶應義塾大学法学部、ハーバード大学公共政策大学院卒業。
三菱商事にてネット事業や金融事業、インフラ事業に従事したほか、カナダの年金基金でも働く。30歳を過ぎて子どもをなかなか授からない経験を乗り越え、4年前に娘を産んだことをきっかけに、「子どもたちの未来のために働こう」と政治家を志す。その後、0歳児の子どもを連れてハーバード公共政策大学院へ留学。卒業後、帰国してからは政策系シンクタンクで、政府のコロナ対応の検証や、デジタル分野での政策提言を行う。コロナ禍の保育園休園で両立が困難になった子育て世代1,600人の声をアンケートで集め、自民党に届ける活動などを行ってきた。
家族は、商社時代に机を並べていた夫と4歳の娘の3人。
趣味は、ダンスと美味しいコンビニスイーツを買って帰ること。

 

0歳の子供を連れて、単身でハーバードに留学

──むこう山さんは新卒で三菱商事に入社し、10年のキャリアを経て、政治の道に進まれています。どのような背景で政治家を目指したのでしょうか。

むこう山:パートナーの海外駐在をきっかけに三菱商事を退職し、海外で妊活をしていました。しかし、なかなか子どもに恵まれなかったんです。

その時に、改めて自分の将来ありたい姿を考え直しました。もしかしたら、子どもはできないかもしれないし、ずっと働き続けるかもわからない。だけど「未来の子どもたちのために働きたい。日本のために働くことを追求したら、自分の人生をより有意義に使うことができるのではないか」と感じたんです。それが私の「人生の目標」である、と。

日本に帰国してから勉強を始め、無事ハーバード大学の公共政策大学院に合格しました。ところが、そのタイミングで子どもを授かっていることも発覚して…。どちらかを諦めることはできず、なんとか両立できないかと思い、生まれたばかりの子どもを連れて大学に通うことを決心しました。

── 生まれたばかりの子供を育てながらハーバードに通うことは、かなり大変だったのではないでしょうか。

むこう山:そうですね。その頃パートナーは日本で仕事をしており、私は単身で子どもを連れて海外に渡りました。朝は子どもを保育園に送り、日中は大学で勉強。夕方になると子どもをお迎えに上がり、夜になると授業で出た課題に取り組んでいました。そんな毎日を繰り返し、とにかく必死でしたね。

──すごいバイタリティですね。そこまで頑張ることができたのは、なぜでしょうか?

むこう山:「日本の未来を変える政治家になろう」と当時から明確に決めていたからです。私の場合、商社に勤めた経験はあるものの、政策に関する知識はほとんど持ち合わせていませんでした。

私の考えるあるべき政治家像とは、「政策を必ず実現させる政治家」です。社会をより良い方向性に導くためには政策を実現するほかありません。

だからこそ、大学で政策に関する知識を学び、リアルな政治に活かしていく必要があると考えていました。

 

“開かれた政治”が、日本の未来を変える

──日本の政治が抱える課題について、どのようにお考えでしょうか?

むこう山:まず「議員の構成比率のアンバランス」さ。そして「世襲」ですね。必ずしも世襲が悪いわけではないのですが、一般の方が政治家になりにくい要因の一つだと感じています。

──確かにそうですね。私自身、政治家の構成比率こそ世の中の構成比率と同数であるべきだと考えています。

むこう山:その考えに強く共感します。実際問題、国会議員の女性比率は約14%しかないんです。世の中の半分は女性なのに。これでは女性の声が政治に反映されないのも仕方がないですよね。そして、現役世代として30代以下の国会議員にいたっては3%しかないのです。こうしたアンバランスな構成比率は特定の世代や性別に不利に働きやすくなります。

政治家は、一般の方の投票によって支えられています。初出馬の政治家より、見知った政治家の方が安心して投票しやすいんですよね。その結果、今まで応援していた政治家が引退したら、引退した政治家の意思を継いだ方や同じ名字の方など、何らかのつながりがある方に一票を投じようとするんです。だから、世襲が起こりやすくなってしまいます。

私は、政治はもっと「一般人に対して開かれたもの」であるべきだ、と考えています。

──“一般人に対して開かれた政治”は、良いキーワードですね。

むこう山:もっと多くの方に「誰もが政治にチャレンジして良いんだ」ということを私の立候補を通じて知ってほしいと思います。一般的な選挙運動は平日に展開されるため、現役世代の参加は難しいのが現実です。私自身についても大学の後輩や同級生、取り組みに共感してくれた方々がそれぞれ本業を持ちながら、政治や選挙運動に参加してくれています。

現状の選挙は、時間に余裕のある高齢者を中心としたイベントになってしまっています。だからこそ、もっと現役世代が活躍できるようにするために、選挙の在り方そのものを改革したり、良い政治家を生み出していく必要があると感じています。

 

“候補者名”による投票が、現役世代の活躍につながる

──今回、むこう山さんは比例代表選挙に立候補されています。日本の未来を担う現役世代の政治家を国会に送り出すために、私たちは何をすべきなのでしょうか?

むこう山:今回の比例代表選挙では「政党名」または「候補者名」を記載して投票することができます。「政党名」だけ記載して投票してしまうと、選ばれた政党の票数にはカウントされても、その政党の「誰」から順番に当選させるかを決める権利は行使していないことになってしまいます。そのため、自ら若い政治家を選ぶことができなくなるんです。

しかし「候補者名」を記載して投票すれば、特定の個人を応援できるようになります。例えば、投票権を持つ国民のうち10万人が「副業花子」と特定の候補者名を書いて投票すれば、その方は当選できるんです。つまり、応援したい若い世代の候補者名を書いて投票すれば、集まった票の数次第で選ばれる可能性が大いにあるのです。

だからこそ、日本の未来を変えるために「政党名」ではなく「候補者名」での投票を呼びかけています。

──つい「政党名」だけ書いてしまいがちですが、「候補者名」こそが政治を変える可能性があるのですね。

むこう山:そうなんです。私たちは投票する時に、「政党名」と「候補者名」を記載する権利を持っています。しかし、候補者名を記載する制度は一般に認知されておらず、世の中の8割の人が「政党名」しか書いていないんです。つまり、その8割の方々は直接「候補者」を選べるにも関わらず、その権利を行使していないんです。

私はそこに、今回の選挙をハックするポイントがあると考えています。

自分の同世代の立場の近い政治家を「候補者名」を書いて国政に送り込む。現役世代の思いの代弁者として、フリーランスの声を届ける代理人として、働く女性の代弁者として、子供を育てる母親の代表として、全国9,000万人の有権者のうち10万人が選んでくれれば、その声を代弁する候補者を国会に送り込めるのです。

だからこそ、一人でも多くの方に「候補者名」を記載して投票する権利を放棄せず、応援したい政治家の名前を書いていただきたいと考えています。

参考記事:知るだけで未来が変わる?比例代表選挙の投票用紙に「個人名」を書こう

 

──実は、僕も選挙の時は必ず同世代に投票しているんです。現役世代に票を投じなくて不利益を被るのは避けたいですからね。

むこう山:結局のところ、70代、80代の政治家が選ばれる理由は、その政治家を支持している人がいるからなんですよね。裏を返せば、女性や若い政治家を支持していくためにも、自分の一票を諦めずに投票してほしいんです。それが叶うチャンスが、今回の比例代表選挙ですから。

現役世代の方が自分と同世代の候補者名を記載して投票し、その候補者に10万人の票が集まれば、若い人が日本の未来を変えていくことができるかもしれません。私もその可能性を信じて、今回挑戦しています。

──とはいえ、若い世代の人数に比べ、上の世代の方が圧倒的に人口が多いです。若い世代にとって選挙は不利に思えるのですが、むこう山さんはどのようにお考えでしょうか。

むこう山:たしかに若い世代にとって、選挙は一見不利に見えるかもしれません。しかし、上の世代の中には「若い人を応援しないといけない」「私たちの年金を払ってくれるのは若い世代の方だ」などと未来を考えてくれている方も一定数いるのも事実です。

そういった若い世代を応援してくださる方の数も今後増やしていきたいと考えています。

 

「昭和モデル社会」をアップデートし、多様な働き方を応援!

──むこう山さんが掲げている政策の一つに「フリーランス、副業など多様な働き方を応援する社会へ。」とあります。今後、日本の副業について、どのように捉えているのでしょうか?

むこう山:私の親世代は一つの会社にずっと勤め続けるサラリーマンが主流でしたが、今の学生はあまりそういった価値観を持っていないように感じます。そして、私自身も副業や兼業、起業など働き方の多様性が広がらないと、やはりイノベーションは起こりづらいと考えています。

本業に囚われない働き方をしてみることで、新しい出会いや知識の広がりが増え、結果的に本業にもプラスの影響を受ける。「昭和モデル社会」をアップデートし、多様な働き方ができる社会を実現していくことが必要です。

──企業からすると「社員が個人で稼げる実力をつけてしまったら、離れるかもしれない」という懸念はあるかもしれません。だけど、どんなに個人の実力をつけても「その企業で働きたい」と思える会社を実現することこそが、今後必要になるかもしれませんね。

むこう山:そうですね。新しい働き方を後押ししていく上で、特にフリーランスは社会保障が得られにくいという課題があります。そこも政策に反映していきたいですね。

やっぱり副業やスモールビジネスを始めることは、すごくチャレンジングなことだと思うんですよね。そういった挑戦者を応援する社会を創り上げる政治家でありたいです。

──確かに、日本はまだまだチャレンジしやすい環境が整っているわけではないかもしれません。新しい一歩を踏み出す人に寛容な社会づくりを、むこう山さんにはぜひ政治の面から後押ししてほしいです。

チャレンジして失敗しても、立ち上がれる。挑戦者を後押しする社会を目指して

──むこう山さんは、実現したい未来に向かって、リスクを取りながら前向きに進んでいる印象があります。一方で、世の中ではリスクを取って軽やかに新しいことにチャレンジできる人とそうではない人がいるように感じます。 その違いはどこにあるとお考えでしょうか。

むこう山:新しいことへの挑戦を考える時に、多くの方がリスクとリターンを考えると思います。当然、リスクの方が「この会社を辞めたら安定した収入がなくなる」「自分の経歴に傷つくかもしれない」などと可視化しやすいんですよね。一方で、リターンは挑戦してみないとわからない。挑戦する前には見えないものがリターンなんです。

だからこそ、どれだけ見えない未来を盲目的に信じ抜けるかどうかだと思います。

──僕も、コンサルティング会社に勤めながら、副業カメラマンを始めて。まさに「いつか芽が出るかもしれない」という根拠のない自信に身を委ねてチャレンジしてきました。チャレンジする人を受け入れられるようなセーフティーネットを政治で作れたら良いですね。

むこう山:まさに。たとえ挑戦して失敗したとしても、また立ち上がれる。そんなセーフティーネットを作ることが政治家の仕事です。前向きな挑戦者を「政治の力」で増やすことができたら嬉しいですね。

編集後記

大学時代から、自分のためではなく、チームや仲間のために頑張るタイプの女性でした。そして必ず最後まで仕事を全うしてきた印象があります。今までの自分の身近だった影響範囲が、今回は選挙に出るということで、その範囲を順当に広げたのだと思います。

今回、むこう山さんが掲げているキャッチコピーは「自民党を使いたおす」です。結局のところ日本の戦後政治は自民党の歴史とイコールだからこそ、素晴らしい着眼点だと感じています。本気で政策を実現しようとするならば、消去法でも自民党にならざるを得ないからです。最もレバレッジが効く場所で、同世代の女性の声を最大限に届けていく。日本にもっと副業を定着させたい方、子供の未来に希望を残したい方は、2枚目の比例代表の投票用紙には「むこう山じゅん」と書いて、投票をお願いします。

 

編集: 新井勇作
取材・執筆: 大畑朋子
デザイン: 中山亜希

 

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