「開業したんだって?友人だから安くやってよ!」
(周りにこんな人はいませんか?)
ビジネスを始めると、そんな声を掛けてくる友人がいます。本人は実績作りに使って欲しいという善意があるのかもしれませんが、毎日を必死で戦うビジネスオーナーとしては、正直迷惑です。友人関係に影響することを理由に断りづらく、仕方なく割引価格で受けてしまった経験は誰しもあるのではないでしょうか?
今回のDUAL WORK記事では、そうした迷惑行為をしてくる友人に、どのように対処するべきなのか?具体的な接し方について解説します。
友人割引を期待する人に出会ったときの対処法として、今日の記事が皆さんのお役に立てば幸いです。
友人割引を期待する構造とは?
DUAL WORKの読者のほとんどは、副業に挑戦したり、自分のビジネスを始めようと動いている方だと思います。自分がビジネスオーナーとなって、時にプレーヤーとして、時にマネジャーとして、日々悪戦苦闘しながら仕事をされていることも多いでしょう。
そんな時に、冒頭のような友人割引を期待する人が現れて声を掛けてくるのです。
「開業おめでとう!最初だからお友達価格でお願いしていい?」
友人割引を期待してくる人は決して悪意があって、あなたに損をさせようと思い、割引価格でのサービス提供を依頼しているのではありません。場合によっては、それを相手が喜ぶと心から信じ「善意として」言っている可能性すらあるのです。
友人割引を期待してくる人の心境は概して次のようなものです
- 自分が使うことで、サービスの感想をフィードバックできる
- 自分が使うことで、サービスの実績として件数を増やすことができる
- 自分が使うことで、友人がそれを見て広告として機能できる
しかし、どれも残念ながらそうした友人価格を期待する人に、サービスを提供しても大きな見返りとなって返ってくることは殆どないのが実情です。(これは、影響力を持つインフルエンサーほど、自分の影響力や評判を下げるリスクを知っているので、行動が慎重になるからです)
(お願いされても、プロとして接しましょう)
友人割引を受けてはいけない理由
友人関係や人付き合いに影響するからと、闇雲に友人割引を引き受けてはいけません。
断るべき理由があるので、整理しておきましょう。
友人割引やお友達価格で販売してはいけない理由は
①友人にはプロセスの一部しか見えない
②その価格が独り歩きする
③お互いの感情がねじれやすい
からです。
①友人にはプロセスの一部しか見えない
友人が割引価格を検討しているときに、念頭にあるのは「友人から見えている部分」に対する価格設定です。
例えば、フォトグラファーがロケーションで撮影をする場合でも、これだけのフローがあります。
- 打ち合わせ (見える)
- ロケハン
- シミュレーション
- 機材選定
- 当日の現地チェック
- 撮影 (見える)
- セレクト
- レタッチ
- 納品 (見える)
実際に見えているのは、友人と接している部分だけで、裏側にある労力分のコストを想定した価格になっていることまで、思いを巡らせてくれる人は少数です。
②特別価格が独り歩きする
サービス提供側に、その気はなくても、友人価格を適用しはじめると、その割引価格が当たり前になります。自分としてはその金額で売るつもりがなかったとしても、友人価格を提供した人からの紹介で「〇〇さんからの紹介で〇〇円でやってもらった、、、」と言われた時に、同じ料率の割引を適用せざるを得なくなります。
だから、たとえ友人であっても、通常想定している割引幅よりも安く提供することは慎むべきなのです。
③お互いの感情がねじれやすい
お互いの感情がねじれることは、人間関係が壊れることです。
一般に、値引きを要求する友人は、通常の割引価格で提供した程度ではお得感を感じてくれないことがほとんどです。新規開業などのオープン価格で赤字ギリギリで提供しているときですら、他と同じ価格で提供しても友人としての優越感を感じられる価格設定にならない心理があるようです。
しかしそんな状況下であっても、友人は売上に貢献したという「恩を貸したくらいの感覚」になっているかもしれません。
相手は良くしてあげた!という印象があるのに、サービス提供側は迷惑だったというのは、まずい方向にお互いの感情がねじれていますよね。こうした状態を避けるためにも、基本的には友人価格は廃止して、通常の割引幅と同様に取り扱うべきなのです。
友人割引を強要してくる人は「〇〇」と思って接するべし
DUAL WORKでは友人割引を期待してくる人を「友達ヤクザ」だと想定して接することを推奨しています。
もちろん、仕事を抜きにすれば素晴らしい友人関係があることを否定しません。その一方で、友人関係を仕事に持ち込まれることで、正しく利益をあげられなくなるのも問題です。
もし、本人が特に悪気もなく言っているようであれば、きちんと指摘してあげることが、本当の友人としての関係改善になります。友達ヤクザがちょっとしたお得感と引き換えに、失っているものは長期的な信頼関係だと、教え・導くことが重要です。(実際には、直接指摘するのが難しいと思いますので、この記事をシェアして教えてあげてください)
本当の友人なら、、、
本当の友人ならば、きちんとした正規の代金でサービスを受けてフィードバックをしてくれるでしょう。そもそも、友人価格として安くないと利用しない!みたいな人が本当の友人なのか?は、ビジネス人生のなかで立ち止まって考えて良いテーマです。
そして、あなたが友人の開業に行くならば、
もしあなたが友人や仲間の開業に行くならば、気前よく、きちんと正規価格でサービスを受けましょう。それだけでなく、開業にいたるまでの苦労をねぎらう手土産も持って行きましょう。
個人でビジネスを始めるとよく分かりますが「せこい」「度量が小さい」と思われるほど、損をすることはありません。
開業時にきちんとしたサービスを正規価格で受ける人とは、長期的に良い信頼関係を築くことができます。その関係の構築以上に、効率の良い投資はありません。
友人割引に対処する具体的な方法2選
最後に、実際に友人割引を期待してくる人が出てきた場合に、対処する具体的な方法を整理しておきましょう。
防衛策1:営業費用を割引分とする販売価格で統一する
これまで否定的に書いてきましたが、友人向けの特別割引価格そのものはすべてが悪ではありません。サービス提供側が戦略的に納得できる範囲の割引率で、実績作りのための割引は積極的に活用するべき方法です。ですので、友人割引を期待されたときにも、会社として共通の「割引価格」を設定し、こちらの言い値で仕事をすることが基本戦略となります。
過去にもDUAL WORKでは営業費用(割引幅の上限)を上乗せして価格設定をすることを推奨しています。
価格設定は、いわばビジネスの心臓です。
どんな価格で販売しても、自分たちにとってきちんと利益が出るように、あらかじめ設定しておきましょう。
防衛策2:割引は特別調整という書き方で
そして、この営業費用分から割り引く際は「特別調整」という項目を設定して、友人向けに特別に割り引いていることを明確に記載することです。特別調整とは「あなた限りの特別価格」を提示する際のビジネスとしての常套手段です。遠慮なく使っていきましょう。
こうすることで、受け取った側は「自分が特別扱いをうけている」と確認すると同時に、「正式な価格ではこの金額なのか!」と、本来の価格を知ることができるのです。その差分を知ることで、割引をした事実を正しく認識できるようになります。
ポイントは金額の内訳を別個に保存し、コントロールしていることです。次回以降の取引の際にも、これら別々の項目について交渉力を持ってクライアントと向きあうことができるようになります。
以上、友人割引に対処するDUAL WORKとしての回答でした。
本日の記事が友人割引に悩むビジネスオーナーにとって、何かしらのヒントになれば、幸いです。
企画・執筆: 新井勇作
編集: 大畑朋子
デザイン: 中山亜希
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